♪雨うた考察〜邦楽は「雨」をどのように歌うのか?
昨日(下記)の続きです。
邦楽雨ソングを大量に聴きまくった結果、私たち日本人が無意識に持っている「雨」のイメージや、「雨」にもたらされる気分や感情が見えてきたような気がしました。
それを忘れないうちにまとめていきたいと思います。
メジャーなアーティスト(と私が思っている)の曲例なんかも挙げていきます!
Youtubeの貼り付け上手くできてるかな…ドキドキ…
読み込みが遅かったらすみません…
雨は「悲しみ」を表現する手段
雨の曲は、悲しい曲や別れの曲が多いです。
その中でも、曲の中でどんな雨を降らすかによって、その「悲しみ」がどういうものなのか表現している、という曲がたくさんあります。
- どしゃぶり→どうしようもなく悲しい
- 天気雨→嬉しいのに、悲しい・さみしい
- ぽつりぽつりと降る雨→すこしずつ悲しみが押し寄せてくる
- 降り続く雨・やまない雨→悲しい気持ちが止まらない
- 冷たい雨→残酷さ・無慈悲などに打ちひしがれる悲しみ
説明しなくても、日本人の私たちは、こういう雨が降ってるから「こういう悲しみか」ってわかっちゃうんですよね。
この表現の仕方で見事に「悲しみ」を表現しているなぁ~と思ったのは
宇多田ヒカルの「真夏の通り雨」です。亡きお母さんのことを歌っているそうですね。
「通り雨」っていうムラのある雨で表現するところに生々しい感情を感じます…。
伴奏もすごく雨っぽいですしね。
ちなみに、悲しみからその人も守るものとして「傘」が差し伸べられるという表現もチラホラある気がします。「傘」は悲しみから自分を守ってくれるものとして描かれていて、傘がなかったり、置き去りにされている場合は、たいてい孤独を意味しているなと思います。
雨=涙?
空が泣いているのが「雨」だ。
私の代わりに空が泣いてくれている、みたいな表現もけっこう聞く気がします。
この場合、歌の主人公は泣いていないことが多いですね。
自分の気持ちを表すように空が泣いているってことで。
でもこの表現、メジャーなアーティストの曲での例が思い出せません…
あれ、けっこうあった気がするんだけど…
雨は追憶の中に…
雨の曲は過去をうたうものが多いと思います。
- 「思い出の日はいつも雨」(サザンオールスターズ「TSUNAMI」)
- 「レイニーブルー 終わったはずなのに」(徳永英明「レイニーブルー」)
- 「本気で忘れるくらいなら 泣けるほど愛したりしない」(中西保志「最後の雨」)
などなど、挙げるとキリがないのですが、あんまり未来を歌っている歌はありませんでした。(はっきり認識できたのはドリカムの「雨の終わる場所」くらいです)
おそらくなのですが、あの視界がぼやけて、雨音の雑音にすべてをかき消される感じが過去を表現するのにぴったりなんではないでしょうか。さらに「雨=悲しみ」というイメージがあるので、追憶の中の雨というのは「過去の別れ」であることが多いんでしょうね。
雨=追憶って感じがすごく強い曲だなと思うのが
山崎まさよし「全部、君だった。」です。タイトルまでがっつり過去形ですね。
彼女と別れた同級生が、これ歌いながら泣いてたのを思い出しました(笑)
雨の日にセンチメンタルに浸りたい時にぴったりすぎる…。
雨は何かを洗い流すもの
雨で何かを洗い流して、って表現も多いです。
洗い流すのは、たいてい悲しみだったり、別れてしまった恋人の記憶です。
- 「鳴りやまない僕の鼓動 君を追っていけばよかったのに 何も言わない入道雲 あらいざらい消し去ってほしい」(スキマスイッチ「雨待ち風」)
- 「Rain Rain Rain あの人の思い出 Rain Rain Rain 流してほしい」(アンジェラ・アキ「Rain」)
この場合、雨は悲しみの象徴でなく、それを拭うものなんですが、けっきょく悲しいシチュエーションで歌っているので、雨の曲は悲しいってなっちゃうんですね。
雨の中で何かしているのは「よほどのこと」
どしゃぶりでも構わないと二人でいたり、雨の中でも気にしないというのは、普通では考えられないので、感情的にも状況的にも「よほどのこと」である、と思います。
そんな、「よっぽどのこと」を効果的に表すために、雨の場面を用いるという曲は多いのじゃないのでしょうか。ロマンチックな曲も多かったり( *´艸`)
このパターンで思い出すのはこの曲です。
「♪どこに行くの こんな雨の中~」(ポルノグラフィティ「サボテン」)
ポルノグラフィティ - サボテン | Porno Graffitti - Saboten (sub español + romaji)
雨=悲しみだから…晴れることを願うの雨の歌
雨のち晴れ、って歌ですね。だいたい、ついでに虹も登場します。
雨=悲しいこと 晴れ=それが晴れていくっていう歌、いっぱいあります。
日本人が好きなテーマなんだろうな~
雨の時でも明るい気分になれますもんね。いつか晴れるって。
でも「雨が晴れてほしい」という扱いだから、雨=よくないものってことですね。
潤いの雨、恵みの雨
潤いだったり、恵みだったり、雨をいいものとして捉えている曲です。私の聞いた限りでは意外と少ないです~メジャーな曲ではほとんどないんじゃないでしょうか。
昔の曲ですが、鬼束ちひろの曲で「眩暈」って曲があります。TRICKで「月光」が流行って全盛期だったころの曲ですね。この曲の雨の使い方は珍しいな~っと思います。若い人とか「月光」しか知らないんだろうなぁ…(しかもあばれる君のイメージか…)
- 「貴方の腕が 声が 背中が ここに在って 私の乾いた地面を雨が打つ」(鬼束ちひろ「眩暈」)
潤いの雨、の意味合いですね。
雨をすごくプラスイメージで描いているな~と思ったのはSalyuの「新しいYes」です。メジャーではないかもしれないけどCM曲だから聞いたことある人はいるんじゃないのかな~。ちょっと雨が好きになりそうです。
雨うたについて まとめ
その他にも、歌に雨というシチュエーションを入れることによって、周りがぼやけて雨音に囲まれるイメージが浮かび、登場人物にフォーカスが当たる効果があるのかな、と思います。
恋人同士なら相合傘だったり、雨の中で共に駆け抜けたなら、より強い絆の仲間たちとして。濡れたり、泥にまみれたりすることによって、しっとり感が出たり、なりふり構わない感じが出たり。雨の描写は奥深いな~と思います。
メジャーな曲ではなかったけど、降り続く雨を「悲しい時代」として歌い、歴史の流れを表現するスケールの大きい曲もあります。
もっといろんな雨の曲を聴きたいな~。歌のものに限らず、雨音でしとしととした悲しみを表現するクラシック曲なんかもありますしね。ショパンの「雨だれ」とか。全ジャンル集めてたらいくら時間あっても足りないけど…
外国の曲では、雨はまた違った描かれ方をするのかな?似てる部分もあるのかもしれないけど、雨がありがたい国とかだと「恵みの雨」的な歌が多かったりするのかな?ちょっと興味があります。
以上、「邦楽」の雨の歌われ方について考察?してみました。
動画が重かったらすみません(>_<)
みなさんも、雨の音楽をぜひぜひ楽しんでみてくださいね!
たぶん、次の風物詩コンピは「花火」かな~。
→7/17追記「花火」について書きました!
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